第3回 本を読む その1


 何を隠そう、ぼくは大学卒業後、1年間編集者の養成学校に通ってきっちりと勉強している。造本についても一通りのことは学んだし、贅沢なbookdesignことに、勉強のためだけに数名のグループで一冊ずつ実際に本を造ったりもしたのだ。
 しかし、何しろまだ活版印刷が主流だった頃の話である。多くの知識がオールドファッションになってしまった。アップデートする必要がある。そこで、いくつか本を読んでみることにした。
 初めに手にしたのが右の本、というかMookというか、DTPWORLDという雑誌の増刊のVol.1という扱いのようだ。2003年10月26日発行。カラーがふんだんに使われているためか、2100円と少し高い。
 目次から拾ってみると

第1特集●五感、感触を刺激する本
祖父江慎さん(cozfish)
松田行正さん
2人のデザイナーが手がけた、心にひっかかる装丁造本作品をドドーンと紹介。
すけすけ/ふわふわ /きらきら、ぴかぴか/でこぼこ/穴あき/かるい!/白い!/黒い/折って、折って

第2特集●人気装丁家のお仕事拝見
池田進吾さん
『プラネタリウムのふたご』『永遠の出口』など、
美しい装丁を数多く手がける池田進吾さんのブックデザイン。
作品紹介/インタビュー/作家の証言
その他、ブックデザインに関する記事満載!

●わたしの漱石
 日下潤一氏 編/柳澤健祐氏 編
●海の向こうの魅惑の書籍
●タテ・ヨコ・ナナメ!装丁談義
●BOOK DESIGN NOW 2003 探訪記
●本のあれこれ調査隊「バーコードの秘密を調査!」
●現代装丁史を探る
●本文書体を探ってみる-1
 「DTPの書体を凸版で刷る!」(綴じ込みサンプル付き)
●BOOK Designと欧文タイポグラフィ
●講談社ブックデザイン賞全作品紹介
●この本をつくるきっかけになった1冊の装丁「白夜行」

と、こんな感じです。
 本をモノとしてデザインする、きれいに見せるだけでは十分ではない。理由があるデザインでないと。
と、祖父江さんというデザイナーが言っている。きっと、もともとは言葉であり文字である、という言わば実体のない不定形なモノを、形ある本と言うモノにするためには、モノ自体へのこだわりや、理由付けで無から有を構成する力などがないと出来ない作業だと言っているのではないかと思った。確かにいま、モノとしての本が見直され始めているのだ。インターネットの衝撃が与えたフィードバックの一つなんだろうとも思えるけれど。

 第4回 表紙案 その1 へつづく。

 

Saturn's Ring
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